平成30年1月26日(金)18:00より、琉球大学医学部臨床講義棟2F大講義室にて「がん看護セミナー」を開催しました。講師に濱口惠子先生、秋山正子先生をお招きしました。セミナーには、看護職はじめ、大学院生や教員など51名が参加しました。
はじめに、開催にあたって、琉球大学大学院保健学研究科の福島研究科長(琉球大学コーディネーター)よりご挨拶がありました。
前半は、『AYA世代の患者支援~こころとからだを支える~』と題し、がん研究会有明病院・副看護部長・がん看護専門看護師の濱口惠子先生よりご講演をいただきました。AYA世代においては、小児と成人のはざまで適切な治療が受けられない恐れがあり、就学、就労、生殖機能など様々な問題を抱えているにもかかわらず、対象者数ががん全体のわずか数%という現状から、これまで十分な対策が立てられていなかった領域であったことが述べられ、今後は、各医療機関においても、治療中の療養支援のみならず、就学、就労支援を含め、治療後においても包括的な支援体制が望まれることについて、ご講演いただきました。
後半は、『がん体験者と共に歩む~マギーズ東京における支援の実際~』と題し、NPO法人マギーズ東京・センター長の秋山正子先生よりご講演をいただきました。1996年、英国エジンバラに誕生したマギーズがんケアリングセンターの国際ネットワークの正式な一員として、2016年10月東京豊洲に誕生したマギーズ東京の設立の経緯やそこで行われているがん患者・家族への支援の実際についてお話しいただきました。マギーズは、予約なしで訪れることができ、“患者自身が自分らしさを取りもどせる”よう徹底した“聴く看護”が行われ、開設1年で6,000人を超える来訪者があったことが述べられました。今後はそれぞれの地域にマギーズのような“病院でもない家でもない居場所づくり”が望まれており、今、社会から、看護の力、看護を発信していく場が求められていることについて、ご講演いただきました。
セミナーの後には、参加者から“がんを持つ親の子供への支援”、“妊孕性温存に対するインフォームド・コンセントと支援”に関する質問や“ぴあサポート”、“地域に開かれた小規模多機能型ナーシングハウス”の話題が出るなど、講師を交え有意義なディスカッションが行われました。
○日時:平成30年1月26日(金) 18:00~20:30
○会場:琉球大学医学部臨床講義棟2F 大講義室
○プログラム
・講演1.AYA世代の患者支援~こころとからだを支える~
講師:濱口恵子氏(がん研究会有明病院・副看護部長・がん看護専門看護師)
・講演2.がん体験者と共に歩む~マギーズ東京における支援の実際~
講師:秋山正子氏(株式会社ケアーズ白十字訪問看護ステーション代表取締役・所長、「マギーズ東京」センター長)