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活動報告

【九州】がんプロ学生と海外からの留学生との交流(報告)

内 容/

 九州大学のがんプロでは、九州大学病院国際医療部海外交流センター(清水周次センター長)との密接な連携体制を活用して、海外から受け入れた留学生や研究者とも積極的に交流・情報交換の機会を作ることとしています。これにより、がんプロ教員は腫瘍学分野についての指導や意見交換を行い、がんプロ学生は普段の講義や実習に加えて、一人の研究者として海外とのネットワークを構築する機会に恵まれます。さらに受入学生・研究者とのコミュニケーションを通して、自身の知識の更なる習得・定着向上に活かすことが可能となります。

 この度、病院血液・腫瘍・心血管内科の腫瘍グループ(指導担当:有山寛助教)にて受け入れた海外留学生との交流状況の一部について報告いたします。

 

○期間:2018年3~5月

○交流実績:

・シャリテ大学病院(ドイツ・ベルリン)

 学生を1名受け入れ(3月5日~3月30日)。診療科において固形腫瘍の入院、外来患者の診断、化学療法の実際、支持療法などについて指導した。また消化管内視鏡検査の実地指導(見学)を行った。研究室では消化器がん幹細胞のオルガノイド培養や網羅的遺伝子解析などについて指導を行った。カンファレンスではドイツと日本の医療体制の違いに関しても討議を行い、相互の理解を深める機会となった。

・マヒドン大学(タイ・バンコク)

 学生を1名受け入れ(4月23日~5月2日)。診療科において固形腫瘍の入院、外来患者の診断、化学療法の実際、支持療法などについて指導した。また消化管内視鏡検査の実地指導(見学)、研究室での細胞培養、遺伝子検査などについて指導を行った。がんプロ学生は消化管内視鏡検査や、基礎研究の実験の手順に関連するレクチャーを行い、カンファレンスでは双方の大学の教育体制について情報交換を行った。

・マヒドン大学シリラート病院(タイ・バンコク)

 学生を3名受け入れ(4月12日)。がんプロ学生が消化管内視鏡検査の見学をコーディネートした。留学生は現在、母国にて医療関係のイラストに関して学んでいることから、その活用方法等も含めて情報交換を行った。

 

○留学生の感想(ドイツの学生より)

 I have just returned to Berlin from Japan, which was a truly fascinating and beautiful experience. I just wanted to thank you again for all the superb training. I felt really welcome in Fukuoka and at Kyushu University Hospital. Also good luck with your scientific project, let me know how it proceeds!

 

○がんプロ学生の感想(がんプロ大学院生 吉弘知恭)

 2018年に入ってから、海外交流センターを通じて九州大学に短期留学された合計5名の学生(内2名は医学部生、3名は医学関連大学生)と交流する機会をいただきました。

 国際交流を通じて特に印象に残ったことは、留学生が日本の学生と比べると皆、自分の考えを伝えたいという姿勢を明確にしていたということでした。特に、タイからの学生4名は我々同様にnonnative speakerでありましたが、文法的には少し間違っていると思われるけれども十分に私たちに伝わる英語で母国での問題点および日本との違いに関して一生懸命お話ししてくれました。日本人はどうしても自分の考えを伝えることを遠慮する、もしくは誰かが思いを汲み取ってくれるという思考のもとで行動することが多いと思いますので、グローバル化する社会において考えを発信していくことの重要性を改めて感じることとなりました。

 最後になりましたが、今回このような機会を我々に与えていただきました海外交流センターの清水周次先生にはこの場をお借りして御礼申し上げます。今後も国際交流を通じて海外においても通用する人材の育成が進んでいくことを心より願っております。

 

【参考】九州大学病院国際医療部海外交流センター ホームページ

    http://plaza.umin.ac.jp/ovex/index.html